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大学案内2012/Featured Subject【旧約聖書釈義】
                  (情報はすべて2012年度のものです)
 

旧約聖書釈義・小友聡

聖書のテキストをどう理解するか

 旧約聖書釈義はa・bがあり、多くの場合、学部の4年生が1年間かけて履修する必修科目です。内容は旧約聖書のテキストをどう理解するか、その方法論と実践です。2011年度は、前期では方法論を集中的に学びました。方法論とは、釈義の前段階に必要な旧約聖書の様式史、伝承史など、聖書の背景、聖書を読むための基礎知識とも言えるものです。そして後期で初めて、具体的な聖書のテキストにあたって、釈義を行いました。本来でしたら、ヒブル語の原典から釈義することが望ましいのですが、それは大学院に入ってからの学びで、学部ではそこまでは求めません。

  釈義の実践では、詩編を取り上げました。授業への準備として学生に求めていることは、次回の授業で扱う詩編を読むこと、さらに有名な説教者や神学者が同じ詩編を読んで綴った黙想集にも目を通し、自分であれば同じテキストをどのように解釈して、どう語るかという関心を持つことです。授業では、テキストの主題をはじめ、鍵となる言葉や歴史的にどのように解釈されてきたのかなどを解説し、さらに黙想について検討し、議論を深めていきます。

旧約聖書の面白さとは


  旧約聖書には、まだイエス・キリストは登場しません。新約聖書とは異なる世界観の中で、イスラエル民族は、どうやって生きて行くかについてもがき、叫んでいます。旧約聖書の基礎が成立したのは、イスラエル民族が捕囚の憂き目にあった時代と言われています。国を失うとは、全てを失うこと。個人的にも社会的にも先が見えず、頼るものの何もないところで、神さまを仰ぎ、神さまに造られたものとして生きることを宣言した旧約聖書は、民族の信仰告白なのです。しかもその中に、今を生きる私たちとの接点があります。例えば、授業でも取り上げた詩編22編では、詩人は絶望的な状況を嘆いていますが、それは震災の不条理を経験し、その中で何を語るかを突き付けられている私たちにも通じます。22編の苦難に満ちた嘆きは、最後には神への讃美に変わります。苦しみの中であえぎながら、でも、希望を失わずに生きて行く。今の時代に必要なことが書かれていると思いませんか。

 今、牧師の中には、旧約聖書から説教することを尻込みしてしまうような方が多いように見受けられます。会衆からかけ離れた世界だから、語っても届かないのではないかと敬遠しているとしたら、残念なことですね。どうか旧約の世界に飛び込んで、わからないなりに、もがいてほしい。そして、旧約聖書の奥深さに気づき、勉強する意欲が湧いてくることを期待しています。
 

学生からヒトコト

旧約聖書を神学することは、エキサイティングでスリリング! 「そんなぁ〜」と落胆したり、「そうやって読むのか!」と目からウロコが落ちたりすることも多々あります。



旧約聖書は長い歴史の中で書かれているため、時代背景によって独特の言い回しがあったり、根ざしている生活に違いがあったりします。そういった背景を明らかにすることは難しいけれど、意義深いです。


授業


旧約聖書を学ぶことで、自分も神の民の一員とされ、長い歴史の中で、現代に生きる自分にまで聖書が受け継がれていることに気づき、大きな喜びを覚えました。


初めは「信仰の書」を学問的に読むことに抵抗がありましたが、揺るぎない神の権威の元にある書だからこそ、学問的に扱えるのだとわかりました。


この授業では、福音の鉱脈を探り当てるための道具とその使い方を教えられます。長く苦しい発掘作業を経て、命の言葉の源流にたどりついた瞬間には、感動と興奮、神さまへの讃美が溢れ出てきます。


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