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牧師たちの声(伝道者の喜び〜牧師たちの寄稿によるリレーエッセイ) 4(肩書き等は2009年当時のものです)

 

「献身の喜び」  

日本基督教団 港南希望教会牧師 鈴木義嗣

1977年 5月18日  誕生
1985年 4月15日  幼児洗礼
1995年 1月 1日  信仰告白
2001年 4月 1日  東京神学大学学部3年編入学
2005年 5月 3日  准允
2007年12月 9日  受按
2008年 3月25日  結婚

  『イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、…逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て、夜が明けるころ、湖の上を歩いて弟子たちのところに行き、そばを通り過ぎようとされた。…しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。』(マルコによる福音書6:45〜50)

  主イエスが、弟子たちの「そばを通り過ぎようとされた」とあります。この言葉は、主イエスが、神である私が共にいるということを示します。逆風に悩まされ、不安と恐れの中にある弟子たちの只中に、主イエスの方から来てくださり、共にいることを知らせてくださるのです。そして、「安心しなさい」と呼びかけてくださいます。
  私は、牧師になろうなどとはまるで思っていませんでした。私は、とても強引に牧師へと導かれたと思うのです。そして、その導きに逆らう自分の思いのゆえに多くの苦しみがありました。人によって様々だと思いますが、私の場合、牧師へと導かれる過程で、あらゆるものを捨てなければならないという痛みを経験しました。いざ献身して自分を献げるといっても、なかなか献げることができないものです。自分を献げるために、自分が評価されない経験をしました。それまでの歩み、知識や経験、性格や賜物が評価されない。そして、そこで教えられたことは、神を見なさいということでした。一人神に向かうことを教えられました。そのようにして、牧師として自分を献げる決意を強くされたと思います。主イエスは、強いて弟子たちを舟に乗せました。それは、いよいよ主を信じて生きることができるようにしてくださろうとなさっているのです。「あなたがたの歩みは、あなたがたが自分で造るものではない、そうではなくて、神の導きの中にあり、神に在って初めて評価される歩みなのだ」と。人知では図り知れない神の導きがあります。そうであるから、主の弟子は、「神の御心に従うのみ」です。私は、自分の望む道へは進めなくなりました。しかし今は、そのことが喜びです。なぜなら、今もこれからも、必ず主が導いてくださるからです。最も良い道へと導いてくださるからです。そして、思い起こさずにはおれません。私どもを導いてくださるために、主イエス御自身が、ひたすら神の御心に集中して歩んでくださいました。その歩みは、十字架への歩みでした。主イエスが、おっしゃいます。「安心しなさい」。

 

>>目次 ====

●教授たちによるリレーエッセイ

1. わからずやの学校  (大住 雄一)

2. 狭き門、広き門!(朴 憲郁)

3. 神学することはリレーに似ている
(神代真砂実)

4. どん底のデモ・シカ(芳賀力)

5. 共に学びませんか
(ウェイン・A・ジャンセン)

●牧師たちの声(伝道者の喜び)

1. 献身の勧め(福島純雄)

2. 献身の勧め(松木進)

3. 牧師の喜び(塚本一正)

4. 献身の喜び(鈴木義嗣)

5. 二番煎じに生きる(宮本義弘)

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