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牧師たちの声(伝道者の喜び〜牧師たちの寄稿によるリレーエッセイ) 1

 
「献身の勧め」 (肩書き等は2008年当時のものです)
郡山教会・ 福島純雄

福島純雄プロフィール

1958 秋田県湯沢市に生まれる。

両親がクリスチャンだったため、幼少より教会に通う。
誕生日に牧師から贈られたシュバイツアー伝記を読んで、小学生の頃は医者になることを夢見た。

1975 

理数系が不得意との現実の壁が立ちはだかり、弁護士への淡い期待を抱いて東北大学の法学部に入学。

1979〜81 

しかしこの期待もはかなくも消え、法学部卒業後教育学部聴講生となり、さらに
国立秩父学園(重度の精神薄弱児施設)に併設された職員養成所にて学ぶ。

1981 

障害者施設職員となることに挫折し仙台YMCAの主事(予備校担当)として    就職、同年結婚。しかし翌年退職、以降様々なアルバイトをしながら東京神学大学入学準備。

1983 東京神学大学3年次編入。

1987 大学院を修了し、母教会でもある郡山教会に赴任。

2008 以降現在に至るまで同教会で牧会している。


献身の勧め-----------------------------------------------------

 プロフィールをご覧いただいておわかりの通り、私が牧師への道を歩み始めるまでには、多くの紆余曲折がありました。様々な願いや夢を断たれ閉ざされる中、そこにぽっと開かれた道が牧師への道であったように思います。
  不本意ながら就職をした所でしたからやはりすぐにも退職を決意せざるを得ず、そんな中で出会ったのはアメリカ合衆国の日本人教会で牧師をしていて、職場の英語の主事として途中入社された方でした。彼と毎日昼食を共にするうちに、神学校入学の志が与えられました。両親にこれを話すと、教会の役員をしたことのある父は猛反対でした。しかし母教会の老牧師は、神学校を卒業したらそのままご自分の後を引き継ぎ赴任してほしいとのお言葉を下さいました。
  このように、牧師としての歩みが始まるまでには(そして勿論牧師として歩み始めた以後もですが)、閉ざされる事と開かれる事にまことに微妙な天の配剤というべきものがあるように感じます。
  さて、牧師として生きる事の喜びですが、最近しみじみ『三無主義』という言葉でそれを感じています。これはかつて私が学生時代の頃のはやり言葉で、無責任とか無気力といった内容を含むまことにマイナスの流行語でしたが、今の私はこれを『無駄・無報酬・無利益』という内容で、牧師の生きざまを表す言葉として勝手に造語しました。
  時代や社会全体が、常に効果・成果・報酬を求めてやっきになっている中、牧師というのは言わば大手をふって、たとえ効果や成果などなくとも喜んで無駄をなすことができる働きだと思っています。毎週毎週月曜から土曜まで精根込めて準備した説教を、わずか30分程度の中で語ります。ときにはたった一人(夕礼拝がありますから)にこれを語ります。世に言う費用対効果からすれば、こんな無駄はないのではありませんか。
  しかし、イエス様の十字架とはまさにこの無駄の極みではなかったか、と思いますし、牧師の喜びとは、このようなイエス様に従うことのできる喜びです。

 

 

>>目次 ====

●教授たちによるリレーエッセイ

1. わからずやの学校  (大住 雄一)

2. 狭き門、広き門!(朴 憲郁)

3. 神学することはリレーに似ている
(神代真砂実)

4. どん底のデモ・シカ(芳賀力)

5. 共に学びませんか
(ウェイン・A・ジャンセン)

●牧師たちの声(伝道者の喜び)

1. 献身の勧め(福島純雄)

2. 献身の勧め(松木進)

3. 牧師の喜び(塚本一正)

4. 献身の喜び(鈴木義嗣)

5. 二番煎じに生きる(宮本義弘)

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